学校帰り。





私の顔も、山下くんの顔も 真っ赤でした。
























夕暮れ



























「・・・・あの。」





道は坂道だ。
ちょうど、私が坂の上の方に立っていて、山下くんが坂の下の方に立っているという配置。
「男なのに可愛い顔」でナンバーワンの山下くんは、上目遣いで私に訊ねた。





「返事、聞いても良いわけ?」











別に、好きな人がいるわけでもなかった。
だけど、山下くんを意識したこともなかった。
どっちかっていうと、女の子っぽい顔をしていたから、やけに親近感が沸いて
普通の男子より多く接してきた来たけど、普通の男子にはしないようなことだってしてきた。
たとえば・・・


今までの事が頭の中でぐるぐる回って、恥ずかしさに倒れそうになった。











「どした?」











あんまり私が黙ったままなので、山下くんはまた訊ねた。
少しだけ眉をひそめて、わたしの様子をうかがう。・・・その動作が男にみえないんだってば。
あまりに整った顔も手助けして、そんな事を思ってしまった。











「えと、わたし山下くんのことを意識したことが無くて、どう返事して良いのか分からないんだけど。」











言ってから気付いたけど、わたしかなり酷いこと言ったよね。
ソレで嫌いになってくれても別に良かった。


山下くんは、腕を組んで考え事を始めた。
しばらくもしないうちに、何かを思いついて顔を輝かせた。











「じゃー、2週間俺と付き合って、好きにならなかったら俺の事忘れてよ。」











この発言にはぎょっとした。
山下くんの顔、首、足、全身をまじまじと見つめてから、











「そんなんで、山下くんはいいの?」











と言った。
山下くんは、頷いてからにっこり笑ってこう言った。











「きっと、俺のこと好きになるよ。」

















よく考えれば、そんな自信どこから生まれてくるんだ、くらい思っても良かったかも知れない。
だけど、それほど自信満々に言う山下くんに
いつもの山下くんとは思えない男らしさを感じてしまって。





頬を赤らめた。
夕暮れが助けてくれて、山下くんは気付いてない。























こんなにも早く伝えてしまうのは、なんだか悔しいなぁと、一緒に帰ったときに思ったから





またそれは今度にしておく。





その日もきっと、夕暮れ時がいいなぁ。























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ほのぼのって感じですね。
その後、山下くんと彼女は「可愛い同士カップル」と陰で呼ばれたそうですよ。
女の子より可愛い男の子って罪ですよね。
同時に格好良いわけでもあるんだから!
それでは。













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