「何してんだよ。」





そう言った声の発信源。
それは間違いなく、あいつ。
























左利き
























午前中の授業が終わり、待ちに待ったお昼ご飯。
中学に入っても変わらない、食事の挨拶「お上がりなさい」「いただきます」を交わした。
みんな一斉にお箸を手にする。
そんななか、大声を出したのはあいつ。 白河 辰弥。





「何って・・・お昼ご飯?」
「そうじゃねぇよ! なんだよ、その箸の持ち方は!」





再び大声で私の手を指さした。
同じ班の子が、一斉に私の方を見る。
昼食時は班の形に机をくっつけるのも、小学校の時から全く変わらない。


指を指された私、新村 明美は震える左手でお箸を持っていた。





「普通じゃんか。」
「何処がだよ。箸はこうやって持つの!」





そう言うと、偉そうに私の前に白河は左手を突き出した。
コイツは左利きだから、こう握るのが当たり前なわけで。





「新村は右利きだろ? なんで左手で箸握ってんだよ。」





近くにいた女の子が、「そうだねぇ」という風に頷いていた。
確かにわたしは右利き。
今日はあえて左利きに挑戦しているのです。
理由は、こいつになんか言えるはずもなく。





「左手使うと脳が活性化されるらしいよ。」





とか言って誤魔化した。
だけど、左利きなんて続くはずもなく、昼食時間が終わりそうになったので右手に持ち替えて急いで食べきった。
仕方ないけど、右利きのあたし。
白河とは違うのです。





少しでも君に近づきたかった私だけれど、左利きにはなれそうもないみたい。
これからも一緒にいたい。
趣味も、誕生日も、好きな食べ物も、いろんな事を知りたい。
今は左利きであることしか知らないけれど。











「俺、新村は右利きでいいよ。」
「え?」











左手で握られたシャーペンが、あたしのノートに何かを書き出した。

















そのままが好きだから。

















ありがとう、左手。



































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こんにちわ。
久しぶりな、小説ですが。なんだか短いですね?
短編小説なので許して下さいませね。
会話は、ごく普通の会話って感じで。
左利きは私の好きな人だという説が!
それでは、感想お待ちしています。
















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